子竜の年代記

同人関係に限らず、レビューや雑記とか。

エロゲ業界に光あり、しかして闇は未だ深し

すっかりエロゲ関連のブログになってしまいましたね。それでいいんじゃないでしょうか(適当)。

先日、ねとらぼに以下のような記事が掲載されていました。

nlab.itmedia.co.jp

ねとらぼはアイティメディア株式会社が運営するニュースサイトで、個人が運営するまとめブログのような偏向はあまりない(全くないとは言っていない)こと、またオタク界隈のニュースを取り上げたり、オタクが気にするあんなことやこんなことを積極的に調査・発信してくれるメディアとして注目しておりました(余談ですが、本業関係の情報収集でもITmediaにお世話になっていたりします)。

そんなねとらぼがエロゲ業界に関する記事を発信してくれることは、業界の知名度アップに繋がり、新たなエロゲプレイヤーが増えるのではないかと期待しています。

さて、今回記事を書いたのは、上記記事を読んで思ったところがあったからです。
あらかじめ申し上げておくと、上記記事を否定しようとかそういう意図があるわけではなく、上記記事も業界の一面ではあると思うのですが、記事の内容とは異なる側面もあると思っており、記事の内容だけが伝わることにちょっとした不安を抱いたからです。もちろん拡散力の差があるので記事を読んだ全員に伝わるものではないと思いますが……読んだ方が少しでも見識を広められるのであれば幸いです。

 

◆業界のトップクラスたる「ノラと皇女と野良猫ハート」の宣伝力

上記記事は、エロゲブランド「HARUKAZE」の代表であるはと氏および広報に、記事の執筆者であるにゃるら氏が、アニメ化もされた最新作「ノラと皇女と野良猫ハート」の話題を中心にインタビューを行うというものでした。
具体的な内容は記事を見ていただくのが一番だと思いますが、記事を読んで一番驚いたのは、「ショートアニメはHARUKAZEが全額出資して制作した」というものでした。
つい数ヶ月前の記事で「いくつもブランドが潰れていってる。エロゲ業界ヤバい」と言ったわけですが、まさかその数ヶ月後にこんな景気のいい話題を目にすることになるとは思ってもみませんでした
上記の内容が本当であれば、HARUKAZEは相当な資金を持っていることになります。それを適切に使い、多くのユーザーを獲得し、成功へと導いているのだなと、記事を読んでいて感嘆いたしました。


◆「ノラと皇女と野良猫ハート」は業界最上位の成功事例である

しかし、他の多くのエロゲブランドは、今回のHARUKAZEのような潤沢な資金を持っていないことがほとんどです。
忘れてはならないのは、HARUKAZEのような形態で大々的に広報活動できるブランドは限られているということです。

最近だと、よく「ソシャゲは出せば売れる」の事例として「Fate/Grand Order」が挙げられるのを目にしますが、FGOは現代ソシャゲの突出した成功事例であり、その陰には売り上げ低迷によって早期サービス終了を迫られた作品が多数存在することを忘れることはできません。

nlab.itmedia.co.jp

nlab.itmedia.co.jp

ねとらぼにも直近で複数の記事があるんですよねえ……。

冒頭の記事の末尾には、ライターであるにゃるら氏の意見として、

美少女ゲームが言われているほど斜陽でなく、こうして勢いと信念のある新規メーカーが台頭した事実がうれしい

といったことが書かれています。確かにHARUKAZEは期待の大型新人という形で今後の業界を牽引できる存在であることは間違いないと思います。ただ、ノラととという大きな成功事例を挙げただけで斜陽でないと言い切るのは難しいのではないかなあというのもまた、記事を読んだ率直な感想だったりします。


◆業界の闇ばかり追いすぎた反省

一方で、私は逆に業界のヤバいところばかり追いかけて、良い成果を上げている作品やブランドがどのような施策を打って成功したのかという点にはあまり目を向けていなかったなと反省しております。業界の全てがヤバいのではなく、良いところもあれば悪いところもある、ということをしっかり認識して、個人の意見としてヤバいところをなんとかしたいという想いで今後も活動していければと考えています。

また、記事には興味深い一文として

今はもう美少女ゲームを卒業した世代が、最近の作品を遊ばず好き勝手言い始める段階にきているので、こうしてメーカー側の現状を語ってくれるのは非常に助かります。

というものがありました。
私自身はTwitter上では現役エロゲ―マーや業界関係者しかフォローしていないため、卒業世代というものが存在していて好き勝手言っているところを目撃したことがないのですが、やはりというかどうあっても外部から好き勝手言う人間はいるものなのですね……。

 

と、このように光と闇の混じり合う混沌とした時代ではありますが、今後も広い視野で業界を見つめていければと考えています。

曲がりなりにも物書きとして、自ら旗を揚げたい気持ちがないわけではないですが、まだ今は力を蓄える時期と判断しています。実力的にも資金的にも……。

外野の意見に惑わされず、しかし取り入れるべき意見は取り入れ、現役プレイヤーや現在興味を持っている人、今後興味を持つ素質のある人を中心とした活動を業界全体として推進できることを願います。